赤外線コントローラーの作製

概要:センサー入力を受けて赤外線信号を放射するコントローラーの作製


 長年関わらせていただいている小児筋電義手の訓練用として、筋電センサーからの入力を受けておもちゃを動作させるコントローラーの作製を行いました。
筋電入力・赤外線コントローラーの写真
(画像のコントローラーの外観は今後変更される可能性があります。ご承知おきください。画像をクリックすると別ウィンドウで開きます。)

 国内で最も多く流通している筋電義手メーカーさんの筋電センサーの使用を想定し、コントローラー側面、上方に見える金属製のピンをセンサーの端子に差し込んで使用します。
 写真のこちら側の面、白く飛び出ている部分が赤外線LEDになっており、こちらから赤外線が放射されます。

大雑把な回路図の画像
(図中ではピン番号など省略し、概略図を描いています。画像をクリックすると同じ内容のpdfファイルを別ウィンドウで開きます。)

 筋電の信号はマイコンであるArduino Nano Everyのアナログ入力で受けています。アナログ入力にはプルダウン抵抗をいれてあるため、センサーを接続しない場合は信号が「0」に固定されます。
 訓練中に赤外線が放射されているかは目視で確認できないため、赤外線LEDとは逆の面から青色と赤色のLEDを発光させることにより、訓練提供側のスタッフが目視で筋電出力の有無を確認できるようにしています。

対象とするおもちゃ
 筋電出力によって動作させる対象として、プラレール(キミが運転!グリップマスコン E5系新幹線はやぶさ)を選択しました。買ったままの状態で、弊社のコントローラーによる操作が可能です。
 プラレールがお子さんに人気であるだけでなく、前進・後退の2つの動作を行うために2つの筋電センサーを使用することが、筋電義手のハンドの開く・閉じるの2つの動作の練習につながります。また、レールの上を走り、1周回れば元の位置に戻ってくれるのも、訓練中に遠くへ行ってしまって取りに行くような問題をおこさない点でスタッフ側に好都合です。義手の装着ができているお子さんは、親御さんやスタッフと一緒にレールレイアウトを考え、組み立てる、あるいは終了後のお片付けをするなど、義手の使用のための訓練も合わせて行える可能性があります。

動作の様子
 動画では筋電センサーの使用の代替として、スイッチを使用しております。スイッチを押した状態が筋電出力があった状態を模擬しています。
 製品に付属のマスコンと同じ操作が可能な他、筋電義手訓練用に筋電出力のある間だけ動作するモードをプログラム的に作成し、切り替えスイッチによって動作を切り替えることが可能です。

注意点
 筋電センサー、プラレールは別途購入していただく必要があります。また、使用を想定している筋電センサーは一般へは販売されておらず、医療機関や義肢の製作所に限られています。
 赤外線による通信ですので、赤外線が遮られないように注意する必要があります。前進し続ける or 後退し続ける状態になった場合、筋電出力を行い、赤外線信号を放射してあげてください。

お問い合わせ
e-mail:info(アット)shiewatech.jp
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